マネジメントマーケティグ理論
『新たなマネジメントを生み出すマーケティング』といわれる理論。公的研究委員会などの研究課題における実践から体系化し、小塩稲之が提唱した理論。
マネジメントマーケティングとは、「経営ビジョン、経営計画を含むあらゆる事業活動においてマーケティングは常に先行し、新たなマネジメント、新規事業を創出することである」。マネジメントマーケティングは実行し、市場に適応することのできる実践の理論といわれている。
さらに、既存の事業体(経営)活動においての「マネジメントマーケティング」は、川下から川上を見つめ、経営全体、経営の根幹までを含めて構築するという概念を含むものである。現在は、企業活動の全体、事業活動の全体を計るものさしとして位置づけられている。
つまり、マネジメントマーケティングは、既存の「事業体(経営)」がこの理論を活用するということだけでなく、マネジメントマーケティングの考え方を用い、これを契機として「新たなマネジメントを創出」するという概念を持つものである。市場の視点で、今どのような組織、事業を創出すべきか、市場のニーズ、ウォンツからマーケティングを捉え、マネジメントを創造するということである。
小塩 稲之はこのようにも述べている。
マネジメントのすべては「取り巻く環境に対応できるかどうか」
分野や業界によって、その時間差が長いか短いかということでもある。〔小塩 稲之 日刊工業新聞社説 掲載記事〕
フィリップ・コトラーは、マーケティング・マネジメントを「ターゲット市場を選び出し、優れた顧客価値を作り出し、分配し、コミュニケーションをすることによって、顧客を獲得し、維持し、増やすための技術と知識である」(※1)と定義しています。これによると、マーケティング・マネジメントとはマーケティングをマネジメント管理の視点から捉えたものということになります。一方、マネジメントマーケティングはマーケティングの視点からマネジメントを捉えたものです。
参考文献
※1『コトラーのマーケティング・マネジメント』ピアソン・エデュケーション
資料協力:一般社団法人日本販路コーディネーター協会
