エコツーリズム
2004年7月にエコツーリズム推進会議が編集した「エコツーリズム推進マニュアル」によればエコツーリズムとは、自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかたである。
自然の成り立ちや歴史・文化が持つ深い意味をわかりやすく解説し、来訪者に大きな感動をもたらす。それが経済行為として成り立つ。そのことが、地域の自然環境や歴史文化を尊重し、守っていく行動にもつながり、成功すれば、環境と経済の好循環の一例となる。
もともと途上国の自然保護のための資金調達手法として取り入れられたエコツーリズムの考え方は、持続可能な観光のひとつの領域として先進国でも展開されており、2002
年を国連がエコツーリズム年とするなど、国際的にも定着した用語(ecotourism)となっている。
エコツーリズムの実現のためには、旅行者や観光事業者だけでなく、地元住民や地域のさまざまな産業を含む、地域における包括的、横断的な取り組みが必要である。エコツーリズムの推進は、「環境」「観光」「地域」が深い関わりをもちながら取り組む社会のしくみづくりである。
関連するエコツアーとは、エコツーリズムの考え方を実践するためのツアーであり、わが国では自然だけでなく、地域ごとの個性的な歴史や文化もツアーの魅力の大きな要素となる。従来典型的なものと考えられている日本を代表するような優れた自然の中を探訪するツアーだけではなく、生活文化を題材としたような体験ツアーもエコツアーの範疇である。
※グリーンツーリズム、エコツーリズムが出てきた背景にのひとつに、「マスツーリズムの反省」がある。それは、一般的には観光の大衆化による観光地の文化が崩壊するといった弊害など、その影響などを指している。
資料協力:日本観光文化協会